完全粒子・空粒子比率
完全粒子・空粒子比率
ウイルスベクターは、ゲノムDNAやRNAなどの核酸と、カプシドなどのタンパク質から構成されており、高次の複合体とみなされます。そのため、従来のバイオ医薬品と比べて構造がさらに複雑です。
この特性により、目的とする完全粒子に加えて、空粒子や中間粒子、分解物、凝集体など、目的物質に由来するさまざまな成分が相当量混在することがあります。
特にAAV(アデノ随伴ウイルス)ベクターでは、近年、空粒子が活性や安全性に影響を及ぼすことが明らかになり、重要品質特性(CQA)の一つとして認識されています。しかし、空粒子は完全粒子とサイズが類似しているため、これらを分離・分析することは容易ではありません。
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超遠心分析沈降速度法(Sedimentation velocity analytical ultracentrifugation; SV-AUC)は溶液に大きな遠心力をかけ、溶質が時間とともに沈降する様子を検出器によって連続的に取得し、得られた沈降パターンを解析することで溶質分子の分散状態を定量評価可能な分析手法です。AUCは、AAVベクターの完全粒子・空粒子比率(F/E比)を測定するためのゴールドスタンダードな手法として広く認識されています。しかし、AUCの実施には高度な専門知識と熟練した技術が求められます。
当社は、創業以来15年以上にわたりAUCの豊富な実績と経験を積み重ねており、ウイルスベクターの分析分野において国内外をリードしています。Proteome Lab XL-A(蛍光検出器搭載)、XL-I、Optima 3台の計5台を保有し、幅広いニーズにお応えしています。
超遠心分析装置(Optima)
中間粒子も含めた完全同定
- 多波長検出SV-AUCにより、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター試料中に含まれる粒子の分散度を完全同定いたします。
少量サンプルのための超遠心分析
- 超遠心分析バンド沈降法(BS-AUC)により、サンプル必要量を約30分の一に低減した完全粒子・空粒子比率の決定が可能です。
モル吸光係数決定
- 精確なモル吸光係数の決定は、日々の開発やウイルスベクターの製造において非常に重要かつ役立ちます。SV-AUCにより、ウイルスベクターの完全粒子、空粒子のモル吸光係数をそれぞれ決定可能です。決定されたモル吸光係数は日常的に行う分光分析(UV測定や各種クロマトグラフィー)において、目的成分の定量にお役立ていただけます。
GMP基準のAUC
- 信頼性基準に加え、2025年より国内唯一のGxP基準(GLP/GMP)の分析サービスも提供しています。