Comparability & Purity Assessment

同一性/純度評価

ウイルスを構成するタンパク質(VP)はウイルスベクターの生物活性や免疫原性、安定性に寄与することが知られていることから重要品質特性(CQA)です。例えば、アデノ随伴ウイルス(AAV)では3種類のVP(VP1、VP2、VP3)が含まれており、これらVPのそれぞれの比率やVPの配列(一次構造)の確認などが必要とされています。このVP比やVPの配列確認には、逆相クロマトグラフィー質量分析(LC-MS)によるインタクト質量分析やLCタンデム質量分析(LC-MS/MS)を用いたペプチドマッピングが有効です。

インタクト質量分析では、ペプチド結合の切断は行わず、変性あるいは還元といった前処理を経たタンパク質を質量分析装置に導入し、得られる分子の質量などからVP比やVPの配列を確認することが可能です。ペプチドマッピングは、現在のところ、VPの修飾部位を網羅的に探索できる唯一の方法です。ペプチドマッピングでは、トリプシンなどをもちいてタンパク質のペプチド結合を切断し、得られるペプチド断片を分離、検出します。これを解析プログラムを用いて解析することで翻訳後修飾も含めたタンパク質のアミノ酸配列が取得できます。タンパク質側鎖に生じた数%程度の翻訳後修飾を定量することも可能です。

ユー・メディコでは、AAVをはじめとするウイルスベクター(viral vector, VV)や腫瘍溶解性ウイルス(oncolytic virus, OV)のインタクト質量分析やペプチドマッピングの受託分析を実施してきました。これまでに積み上げてきた実績と大阪大学との密な連携により実現される最新の科学的な知見に基づいたサービスをご提供しています。

LC-MS/MS

HDX-MS

HDX-MS