水素-重水素交換質量分析(HDX-MS)

バイオ医薬品開発、特に抗体医薬品の開発では、抗体と結合する抗原側のエピトープ部位を短期間で特定しなければなりません。またバイオ後続品(バイオシミラー)開発においては、先行バイオ医薬品との高次構造比較による同等性確認や、立体構造のロット間差の評価が必要です。

水素重水素交換質量分析(Hydrogen/deuterium exchange mass spectrometry; HDX-MS)法は、重水中に存在するタンパク質で生じるアミドプロトンの水素から重水素への交換反応を経時的にモニタリングすることにより、タンパク質の構造変化、タンパク質間の相互作用部位を明らかにする手法です。

HDX-MSは、ターゲットタンパク質の分子量に制限がありません。また、ラベリングや結晶化を必要とせず、X線結晶構造解析よりも迅速にタンパク質複合体の相互作用部位を明らかにすることが可能です。

ユー・メディコでは、HDX-MSを用いたエピトープ決定や、タンパク質間の相互作用解析を提供しています。

測定方法 内容
エピトープ決定 抗原のみの重水素交換速度と、抗原 – 抗体複合体の重水素交換速度を比較し、速度 低下が見られた領域を抗体と結合する抗原性を持つ部位であるエピトープ候補として 決定します。
同一タンパク質 立体構造比較 バイオ後続品の先行バイオ医薬品との構造同等性を明らかにする場合や、同一タンパ ク質のロット間での構造同等性を明らかにする場合に実施します。2 状態間で重水素 交換速度の差が見られた領域が、溶液中での構造に差がある領域と判断します。
タンパク質-低分子相互作用解析 タンパク質のみの重水素交換速度と、低分子 – タンパク質複合体の重水素交換速度を 比較し、速度低下が見られた領域を低分子化合物のタンパク質への結合部位として決 定します。
タンパク質間相互作用解析 単量体の重水素交換速度と、ヘテロタンパク質複合体の重水素交換速度を比較し、 速度低下が見られた領域をヘテロタンパク質複合体の結合部位として決定します。 単量体での調製が可能な場合は、ホモ二量体の結合部位も決定することができます。
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